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『チョムスキー理論辞典』

ある本をブックオフに売りに行ったら、

「この本には値段を付けられません。どうしますか?」

と言われたので、結局家に持ち帰ってきました。

それが、1992年版の『チョムスキー理論辞典』(研究社)です。

 

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なぜ売りに行ったかというと、去年(2015年)の秋頃に出版された『チョムスキー理論辞典』〈増補版〉をすでに手に入れているからです。

 

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〈増補版〉は〈旧版〉の完全上位互換であり、もはや私が〈旧版〉を持っている理由がなくなってしまったのです。

それで、この〈旧版〉をしばらく放置していたものの、

「資源回収で本を無にしてしまうよりは、どこか古本屋に売って、そこの本棚で偶然本を目にした人が生成文法に興味を持ってくれれば……」

というちょっとした願いを抱いて、近くのブックオフに行ってみた次第です。

買い取ってもらえなかったのは、やはりカバーがなかったからでしょうか……。

カバーを処分してしまったことを少し後悔しています。

かといって、資源回収に出すことには今だ抵抗があるので、〈旧版〉は、もうしばらく自室に置いておくことにします。

 

あ、今日のブログ記事はブックオフを批判するものではありません。

買い取ってもらえなかったことに対する不満は一切ありません。

むしろ、手元に戻ってきて安堵している自分すらいます。

念のため。

 

 

ブックオフの話は脇に置くことにして、『チョムスキー理論辞典』はとても便利な本です。

この辞典を開けば、ほぼ何でも知ることができますし、知りたいことに関する論文もすぐに特定することができます。

「分からない用語があったら、とりあえず最初にこの辞典を開いてみる」

といった感じで、個人的にはポータルサイトのような存在になっています。

特にミニマリスト・プログラムまでカバーされた〈増補版〉が出てからは、先生に質問をする手間がだいぶ省けました。

また、「増補版あとがき」にもあるように、理論の解説という側面だけでなく読み物としての側面もあります。

個人的には、「思考の言語」の項が好きです。

 

ただ、最近思うことが1つあります。

いくら辞典を読んでも、ぺーぺーの私と長年の経験がある先生との間には、圧倒的でとてつもないほどの知識の差があるということです。

これには、私の地頭の悪さも確実に関係しています。

でも、かたや入門書数冊と辞典……さっきの例えでいうところのポータルサイトだけでほぼ知識をこしらえた一学部生、かたや何年もの間、辞典などない時代から個々の論文をたくさん読んできた先生。

かなうはずがありません。

卒論指導で先生とお話をしていて、そう思いました。

そういえば、Chomskyの "Minimalist Program" も、1度読むのに挫折したきり、結局今まで読破せずにここまで来てしまいました……。

 

ここでまた断りを入れなければいけないのは、このブログ記事が『チョムスキー理論辞典』を批判するものでもないということです。

この辞典は最高の案内役ですし、ないとものすごく困ります。

ただ、より深い知識を得るには、辞典に載っている論文も読むことが大切だと思いました。

論文を手に入れるのは、私にとっては簡単ではありませんが……。

 

 

〈増補版〉が出てからまだ数ヶ月しか経っていませんが、去年末に卒論の骨格が出来上がって以降、辞典を開く必要がほぼなくなってしまいました。

〈旧版〉から引き継いだ付箋の通し番号も、「108」から増えていません。

卒論の提出が来週、口頭発表が1月か2月、履修している授業が終わるのが1月末から2月の始めにかけて、そして4月には就職です。

それにともなって、辞典に触る頻度はさらに減ると思います。

少し寂しいです。

が、いつまでも手元に置いて、思い出したときに眺めたいと思います。

 

〈旧版〉は……どうしよう。